屋根瓦と漆喰の寿命の違い
瓦の屋根は丈夫です。
耐久年数は屋根材の中でもトップクラスです。
ただ、瓦の屋根の施工には漆喰という
材料が必要になってきます。
この漆喰部分の耐久年数は瓦とは
大きく変わってきます。
目次
瓦と漆喰の寿命の違い
瓦の耐久年数は60年以上と言われています。
高い温度で焼成された瓦は非常に丈夫な屋根材です。
ですが瓦屋根の施工の際、
棟部分には漆喰を使用していますが
この漆喰自体の耐久年数は
20年から30年というところです。
なので漆喰のメンテナンスは
瓦屋根の方であれば一度は経験する屋根の
メンテナンスなのかもしれません。
↑漆喰塗り作業中
なぜ漆喰は必要なのか
そもそもなぜ漆喰が必要になってくるかというと
屋根と屋根が交わる一番高い所には
棟と呼ばれる場所があります。
今でも目にしますが
昔はのし瓦を高く積み上げた高さのある棟に
鬼瓦などの飾り瓦を使うことが立派な
屋根の象徴でした。
写真の様にのし瓦で棟を積み上げる際には
葺き土が必要になります。
棟が積み上げられると瓦とのし瓦の間に
三日月の形をした隙間が生まれます。
この三日月の形をした隙間を漆喰で蓋を
していくイメージになります。
漆喰が蓋の役割をすることで
棟内部の土の流出を防ぎます。
万が一、土が流出してしまうと土台を
支えられなくなってしまい、棟の歪み・崩壊にも
影響がでてしまいます。
漆喰は見た目以上に大きな役割があることが
伝わりましたでしょうか。
メンテナンスの有無では大きな影響の
出そうな場所ですよね。
漆喰が劣化するとどうなる?
漆喰が劣化してくると
変色・コケ
ひび割れ
剥がれ
このような症状が現れます。
一つづつ解説をしていきますね!
漆喰の劣化:変色・コケ
漆喰は経年劣化で黒っぽく変色したり、
コケが発生したりします。
この症状が起きている時には
漆喰の内側にある葺き土に雨水が
浸入している可能性が症状として考えられます。
雨水の浸入を繰り返してしまうことで
将来的に雨漏りする可能性も高くなってきます。
漆喰の劣化:ひび割れ
漆喰は多少の調湿性があり、
水分を吸収・放出していますが、
施工後長い時間を掛けて徐々に硬化していきます。
漆喰がで硬化することで
乾燥収縮や建物の微振動、風雨などで
欠けやヒビ割れが発生することがあります。
漆喰の劣化:剥がれ
上記のひび割れや変色などの劣化を経て
大体20年から30年を経過すると
環境によって差はありますが
漆喰が剥がれ落ちてくることもあります。
雨水での乾燥湿潤の繰り返しや
地震の振動での内部の葺き土と隙間ができ
剥がれに繋がっていきます。
すぐに雨漏りする!ということは考えにくいですが
いずれにしてもメンテナンスをすることに
越したことはありません。
気になってきた時は一度点検を!
屋根は常に紫外線や雨風から暮らしを
守ってくれています。
築20年が過ぎている屋根には
なにかしら傷みを受けている箇所があると思います。
屋根が傷みを受ける箇所は今回解説した
棟の漆喰だけではもちろんありません。
屋根には色んな傷み症状があります
釘の浮き
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
谷板金のサビ・穴あき
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
接合部の周りの劣化
まとめ
今回は瓦と漆喰の寿命の違いについて
解説していきました。
瓦屋根だから安心!大丈夫!
間違いではありませんが
他の箇所はしっかり傷みを受けてしまう事は
どうしても避けられない現実です。
定期的に屋根を気にし、
雨漏りなどで被害を受ける前に
無料の点検を利用して手を打っておくことが
屋根との最適な向き合い方かも
しれませんね(^^)