雨漏りはなぜおきる? 〜当然のようで知らない、たった1つの理由〜
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「なぜ雨漏りしているのか知りたい」
「屋根から雨漏りして悩んでいる」
「雨漏りが止まらない」
この記事はそんな方に向けて書いています。
はじめに
こんにちは。
私は広島の雨漏り修理業者、やねやねやねで雨漏り診断士をしている、花岡竜人と申します。
19歳の時、戸建住宅の塗装工の手元作業から始まり、気づけば建築業界に携わって8年になりました。
2017年3月、NPO法人雨漏り診断士協会認定 雨漏り診断士の資格を取得しました。
ですがいまだ未熟な身であり、建物に関する知識、防水材や施工法の知識、現場での経験と感覚。
雨漏り修理のプロフェッショナルとして、スタートラインにたどり着いたに過ぎないと感じています。
雨漏りはなぜおきるのか。
雨漏りの原因は複雑多岐にわたります。
今、皆さんが生活をしている建物は
1. 誰よりも建築に関する知識をもつ、建築士さんが設計し
2. 圧倒的な経験をもつ、職人さんが施工し
3. 知識と経験の両方を併せもつ、現場監督さんが管理し
日々の快適な暮らしをつくりあげています。
本来であれば、雨漏りなどおきようがないのです。
前置きが長くなりましたが、
『雨漏りはなぜおきる? ~当然のようで知らないたった1つの理由~』
についてお話しします。
屋根の基本的なしくみ
基本構造
木造住宅屋根の基本構造は、
「垂木(たるき)」
「野地板(のじいた)」
「下葺き材(ルーフィング等)」
「仕上げ材(瓦等)」
の4つで構成されています。
それぞれを例えるならば、
骨、体、服、傘
と置き換えてみると解りやすいかもしれません。
垂木、野地板はどの屋根であっても、機能と構造に違いはありません。
下葺き材も機能に違いはありませんが、耐久性は使用材によってピンからキリまで色々種類があります。
仕上げ材は、陶器瓦、セメント瓦、スレート瓦(カラーベスト)、アスファルト系、板金系など、それぞれで構造や機能が変わってきます。
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一次防水と二次防水
木造住宅の屋根は、仕上げ材だけで雨水を防いでいる訳ではありません。
第一に、仕上げ材で雨水を侵入させない仕組みをつくり、
第二に、仕上げ材の下に雨水が侵入した場合、すみやかに外に向けて排出する仕組みをつくっています。
第一の仕組みを「一次防水」、第二の仕組みを「二次防水」といいます。
この一次防水と二次防水が1セットで雨水を防ぐ機能が完成されています。
仕上げ材に隠れて普段は見えませんが、
実は下葺き材の上にも、日常的に雨水が侵入しているのです。
専門用語が多くなってきたので置き換えますね。
「あなたは雨が降る中、傘をさしてたたずんでいます。
傘が守ってくれていますし、服も着ているので体は濡れません。
強い風が一瞬吹きました。
横向きの雨が、傘の下の隙間から吹き込んで服を濡らします。
服が少し濡れましたが、ずぶ濡れでもないですし、体は冷たくもありません。
なんの問題もありません。」
この状態が、仕上げ材と下葺き材の一次防水と二次防水が1セットが正しく守られた状態です。
では、傘に穴が空いていたらどうでしょうか。
ものすごく強い雨が降ってきたらどうでしょう。
傘が強風であおられて、そのとき服がやぶれていたら…。
雨漏りはなぜおきるのか?
雨漏りがおきる、たった1つの理由。
先ほど説明しました、一次防水と二次防水が1セット。
この1セットが何らかの原因で守られなかったときに雨漏りは発生します。
傘と服、2つが揃ってはじめて、雨が降っても体を濡らさず、安心していられるのです。
雨漏りがしているということは、2つのどちらか、はたまた両方かに
雨水を防げなくなった原因があるということになります。
事例
実際の事例と少しの注意点をお話します。
こちらの事例では二階の屋根の地瓦(じがわら;並んでいる平たい瓦)が割れ、雨漏りしていました。
瓦を取替れば雨漏りは止まります。
業者さんにもよりますが、金額的に掛かっても1万円でしょうか。
ですが少しお待ちください。
先ほどの話を思いだしてください。
今あなたは体が濡れて困っています。
そのために業者さんにみてもらったはずです。
忘れてないでしょうか。
服もやぶれてますよ。
当然、傘の穴はふさぎますよね。
コーキングで穴をつぶすか、部分的に張り替えるか。
では服はどうしますか?
服を新しく着るにしろ、今持っている傘を、一度手離さなければなりません。
本来は瓦を剥がし、ルーフィングを補修、または張替をし、瓦を復旧するところまでやって完璧なのです。
当然その分費用が掛かりますので、実際には、ここまでは中々しないと思います。
私が雨漏りで悩んでいたとしても、費用対効果を考えてやらないでしょう。
つまるところですが、雨漏り業者さんには説明する責任があるということです。
傘に穴が空いて、体が濡れて困っている人に対して、
傘の穴さえふさげば大丈夫!(服までは買わないだろうし、自然乾燥でいっか)と言うのか、
傘の穴をふさげばとりあえずは大丈夫ですよ。服もやぶれてますが大丈夫ですか?と気遣ってあげるのか。
値段もそうですが、このあたりも重要なことではないでしょうか。
まとめ
上記で取り上げた雨漏りは、屋根からの雨漏りのほんの一事例でしかありません。
それも、発見が容易な部類です。
実は木造住宅屋根からの雨漏りでは、平面部分から雨漏りするケースというのは、全体の中でも数パーセント、一握りです。
雨漏りの原因は複雑多岐にわたります。
実際の屋根では、明り取り窓があったり、谷樋板金があったり、構造自体が複雑であったりと、私たちを雨漏りの迷宮に誘い込みます。
いかがだったでしょうか。
雨漏り修理は非常に難しいです。
雨漏りに真剣に取り組み、向き合っていると、どうしても知識や経験、感覚、先入観に囚われてしまいがちです。
一度頭の中をフラットにし、当たり前の基本にかえることが、雨水侵入箇所の発見につながることもあると思います。
「一次防水と二次防水が1セット」
これさえ取り戻せば雨漏りは必ず止められると、シンプルに考えてみることも大切ではないでしょうか。
https://youtu.be/g0s3GDsfqQE
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