アスファルト防水には、「押えコンクリート」という
仕上げとして表面を加工することができます。
防水工事の種類・内容を徹底比較・解説!

防水工事とは?
防水とは勾配のない陸屋根やに行われる防水工事の事を指します。
屋根だけではなく、マンションのバルコニーや
解放廊下や外階段にも施行されます。
勾配がない分、水が流れずその場に溜まってしまうので
建物に雨水が染み込まないように防水工事をしてメンテナンスを行います。
防水層があることで水から建物を守り耐久性を保っています。
防水工事の種類
防水工事の種類①:ウレタン防水
ウレタン防水は、ウレタン樹脂を複数回に分けて塗布していきます。
ウレタン樹脂が硬化することで、
複数回に分けて塗布した塗膜が防水層となり、名前の通り防水の機能を持ちます。
この防水層を守るために仕上げとして表面に
トップコートを塗布し、完成となります。
ウレタン樹脂は液体状になので
複雑な形状になっている屋上の場合でも
施工が可能なので幅広く使われています。
防水工事の中でも国内の防水工法の半分を占めている為
『主流な防水工事』ということでも定着しているようです。
– – – – – – – – – – – – – – –
ウレタン防水のメリット
1.継ぎ目のないシームレスな仕上がり
上記の写真の様に継ぎ目がない仕上がりになるので、
雨水が侵入する心配のない防水層を形成することができます。
これは雨漏りの観点から見ても
塗膜防水の一番の強みといっても言えます。
2.補修やメンテナンスに対応しやすい
工事後に破損があった際にはその部分のみを洗浄し、
重ね塗りでの補修が可能です。
また、ウレタン防水後は5〜6年後を目安に
表面のトップコートの塗り替えが必要ですが
既存の防水層の上から重ねて塗るメンテナンスになるので
廃材などは比較的出にくい作業となります。
3.防水工事の中でも安価な価格帯
金額は防水工事の中では比較的、安価です。
また、部分的な補修も行える為
メンテナンスの費用も抑えレることも魅力の一つです。
一般住宅のベランダなど、範囲の狭い部分は
ウレタン防水をする方も多くおられます。
– – – – – – – – – – – – – – –
ウレタン防水の劣化のサイン
1.草や苔の繁殖
このように、草や苔の繁殖が見受けられる場合には
防水層に水が回ってしまい防水機能が低下していることが考えられます。
2.表面のひび割れ
表面にひび割れが起きている際には仕上げ材として
塗布しているトップコートの塗り替えが必要となります。
塗膜防水後には一番大切なメンテナンスとなります。
トップコートの劣化が進んでしまうと
紫外線や雨水の影響を受けその下の防水層まで
劣化が進んでしまう恐れがあります。
防水工事の種類②:FRP防水
FRPとは『繊維強化プラスチック』を意味しています。
プラスチックの中にガラス繊維や炭素繊維など含めることで
材料の耐久性を強化しています。
FRP防水の防水層の作り方は、ウレタン防水のように
液状のものを複数回に分けて塗っていくのではなく
下地の上に白色のガラスマットを敷き、
その上からポリエステル樹脂を塗布することで硬化していきます。
硬化後はウレタン防水の流れと同じです。
FRPにはプラスチックを含むため、紫外線に弱いので
保護材として表面へトップコートを塗布します。
– – – – – – – – – – – – – – –
FRP防水のメリット
1.工期が短期間
塗膜の硬化速度が早いので何層も塗り重ねる工事であっても
1〜2日で施工が完了するケースがほとんどです。
また、硬化速度だけではなく、材料も軽量で扱いやすいので
こちらも施工の早さに関係しているかもしれません。
2.防水性が高い
他の防水工事の中でもより高い『水密性』を発揮します。
FRP防水は白いガラスマットを敷いた上から
樹脂でカバーしているので
下地への密着性が強く、高い防水性を保てます。
3.軽量なのに丈夫
ガラス繊維で補強されているため、
建物にかかる重さは1平米あたり4kg前後と言われています。
建物にかかる負担も少なく耐震性にも繋がります。
– – – – – – – – – – – – – – –
FRP防水の劣化のサイン
1.表面の剥がれやひび割れ
ウレタン防水の劣化の症状と同様に
FRP防水も表面のトップコートが劣化することにより
ひび割れが生じ、いずれ剥がれの症状につながります。
剥がれの症状が出ている場合には中の
防水層にまでダメージを与えてしまいます。
防水層のガラス繊維の隙間を埋めている樹脂が削れてしまい
穴が開くことで、屋上やベランダなど屋根のない場所に
施工されている事がほとんどのFRP防水は
ダイレクトに雨水の影響を受けてしまうからです。
中のガラス繊維の防水層が見えてきている場合、
早急にメンテナンスする事をお勧めします。
2.色褪せや褪色
原因としては表面のトップコートの塗膜に
褪色(日光にあたり、時間の経過などによる色褪せ)が起きることと、
日常生活で生じる 摩耗 で表面が荒れてきたりすることがあります。
色で言うと、施工当時は グレー でしたが退色する事で
白色 のようになっていきます。
防水の機能を維持する為にも、このような症状に気づいた時は
早めなメンテナンスを検討してみる事をお勧めします!
防水の種類③:シート防水
シート防水とはシート状の防水材を下地に貼り付けて
防水層を作っていく工法のことを言います。
防水材には塩ビシートやゴムシートなどの種類がありますが
近年では塩ビシートが主流となってきました。
ゴムシートの欠点として、厚みが1.2~2.2mmと薄いため
鳥に突かれて破れてしまうという被害もありました。
一方、塩ビシートの厚みは1.5~2.5mmあるので
厚みのある塩ビシートが主流となった背景があります。
費用面ではウレタン防水とそこまで変わりません。
変わってくるのは耐久年数になります。
シート防水は耐候性にも優れることから
ウレタン防水よりも持ちが良く、
塩ビシートであれば長くて15年と言われております。
– – – – – – – – – – – – – – –
シート防水のメリット
1.広い面積の施工に適している
シートで覆っていく作業なので、広い面積に適していて
短い時間で施工することも可能となります。
2.リベットルーフであれば既存の防水の種類を問わない!
リベットルーフとは抜群の水密性と優れた耐候性をもつ
塩ビ樹脂系防水シートをアンカー固定工法を用いて
既存の防水面に被せていく工事になります。
下地の影響を受けにくく、膨れも発生しないだけでなく
環境面やコスト面においてもメリットがあります。
– – – – – – – – – – – – – – –
シート防水の劣化のサイン
1.剥がれ・膨れ
シートの下に水分が入り込んでしまった状態で
太陽の熱が加わってしまうと、水分が水蒸気と変わり
膨れの症状に繋がってしまう可能性があります。
膨れの症状が出た時には
どこからか水分がシートの下へ侵入してしまっている
ことになるので、シートに傷や剥がれの症状が
起きているケースも考えられます。
また、剥がれの症状の原因として、
太陽の熱を受けることによりシートが
伸び縮みを繰り返してしまうことで接着力が低下してしまい
継ぎ目部分や先端部分から剥がれの症状が起きてしまいます。
2.シート防水のひび割れ
シート防水に使われるゴムシートや塩ビシートには
柔軟性を持たせるために可塑剤(かそざい)というものが
添加されていますが、経年劣化によって可
塑剤が溶けてなくなってしまうことで
シートは固くなってしまいます。
固くなったことが原因となりひび割れの症状が起きてしまいます。
防水が施工されている場所は主に平坦な箇所が多く
勾配がないので水はけが悪いですが
その水はけの悪い箇所にひび割れや先ほどの
剥がれなどの症状が起きてしまうと
雨漏りに繋がる危険性が高まるので要注意となります。
防水の種類④:アスファルト防水
アスファルト防水工事は従来から
広く使われている防水工事の工法です。
合成繊維不織布と呼ばれるタイプのシートに
液状に溶かしたアスファルトを浸透させたてコーティングした
ルーフィングシート(防水シート)を二層以上に
仕上げることで防水機能をより強化する蓄層工法になります。
アスファルト防水は広範囲での施工が適しているため
学校やマンションの屋上などで採用されています。
アスファルト防水のメリット
1.伝統があり確かな耐用年数
防水工事の中でも歴史が長く
発展を続けてながら今でも伝えられている施工法です。
耐用年数の面では、溶融アスファルトとシート状の
アスファルトを積み重ねて層にし、
十分な厚みが形成されるので耐荷重性や水密性に優れており
耐用年数も長く、20年以上と言われております。
2.押えコンクリート仕上げが可能
防水層の保護だけでなく、劣化を防ぐ目的があり
コンクリートで防水層を覆うようにする施工になります。
押えコンクリートの他にもシンダーコンクリートや保護コンクリートとも
呼ばれ、屋上やバルコニーを歩行に適した状態にすることができます。
– – – – – – – – – – – – – – –
アスファルト防水の劣化のサイン
1.目地材の剥がれ
年数が経ってくると、表面の押えコンクリートにある目地材が
浮いてきたり剥がれてくることがあります。
押えコンクリートは防水層の保護層になるので
直接、防水層が傷んでいるわけではありませんが
早めの対処で対応しておくと良いでしょう。
2.ドレン周りのひび割れ
ドレン周りの防水層が劣化し、ひび割れてしまうと
雨水はドレンに集まり、雨樋を経て排出されるので
ヒビ割れの状態を長く間そのままにしてしまうと
いずれ雨漏りに繋がる危険性が高まります。
また、雨漏りだけでなくひび割れた部分から防水層に
雨水が侵入すると、膨れの原因にも繋がってしまいます。
また、詰まりも雨漏りの原因にもなります。
仕上がりの決め手は最初の下地処理に有り!
下地処理の重要性
防水工事の下地処理は、新たに施工する防水層を密着させるために最も重要な作業です。
どの工法でも必ず行われるものになりますが、
表面上から見て仕上がりががきれいであっても
下地処理を怠ると防水層の密着が悪く耐用年数よりも早く
不具合が起きてしまう可能性もあります。
今回は、下地処理でよく聞くカチオン樹脂モルタルについて
解説していきたいと思います。
カチオン樹脂モルタルの性質と性能
モルタルは通常、室内・室内工事のどちらでも使用され
接着剤としてキッチンやお風呂の取り付けの際に使用されたり
外壁の仕上げ材としても使用されています。
従来のモルタルにも一定の強度はありますが
付着力が弱くクラック(ひび割れ)が入りやすいと言われます。
今回紹介するカチオン樹脂モルタルは
ここが大きな違いとなってきます!
カチオン樹脂モルタルのカチオンとは
プラスの電気を帯びた陽イオンのことを表しています。
カチオン樹脂モルタルが使用される場面が多いのは
下地補修のケースとなります。
下地の対象面となるコンクリートや既存のモルタルには
マイナスの電気を帯びた陰イオンが発生しています。
(※ちなみに陰イオンのことをアニオンとも呼びます)
陰イオンが帯びている物に陽イオンのカチオン樹脂モルタルを塗布することで
電子的に磁石のように強力に引きつけあう力が発生します。
特有の接着性を発揮することで今までのモルタル材とは
違いより強固な下地となります。
カチオン樹脂モルタルは主に防水工事での防水塗料や
シート防水をする前に下地の表面を整える役目をしています。
その際に長年露出していきたコンクリート面は
表面の劣化が進んでいるためザラザラした状態になっています。
その上から直接防水塗料を塗ってしまうと劣化している箇所と
していない箇所で塗料の吸収する量が異なり
一定の塗膜を作ることできません。
ですが塗料を塗る前にカチオン樹脂モルタルを塗り
表面を処理することその後のウレタン塗装の塗膜も
均一になり、下塗り・上塗り後の防水層の仕上がりは抜群に変わってきます。
商品の良さもそうですが下地をがしっかりしていないと
せっかく決断して施工した防水工事も防水効果の短い結果になるかもしれません。
実際にカチオン樹脂モルタルを使用した下地処理の様子
部分的な工事で雨漏りが解消するケース
雨が降ると必ずドレンを経由して住まいの外へ
雨水を排出しますがこのドレンに異常が
生じた場合は室内の雨漏りへと繋がるケースもあります。
ドレン周りのメンテナンス工事としてよく聞くのが 『 改修用ドレン 』 です。
そもそもドレンとは?
ドレンとは排水口のことを指します。
語源は英語のドレインが由来となっているようですが
建設業界ではドレン又はドレーンと呼ばれています。
またドレン周りには水を適切に排出し、異物を配管に流さないように
受け止める役目をするストレーナーも設置されています。
ドレンの種類
縦型ドレン
・・・床に設置してあるドレンのこと
メリット
排水効率の良さとドレン周りに問題が
生じにくいと言われます。
縦型ドレンは横型ドレンよりも25%以上効率よく排水を流すことができ
ドレンと防水の層が剥離してしまっても水が逆流しない限りは漏水には至りません。
デメリット
床に設置することでストレーナーが邪魔になる事があります。
– – – – – – – – – – – – – – –
横型ドレン
・・・壁面に設置してあるドレンの事
メリット
近年の住宅では部屋の面積を広くし、収納を充実させる事で
昔に比べるとベランダの面積が比較的に小さくなりましたが
横型ドレンは壁に穴を空けて排水する為
縦型ドレンに比べ有効的に活用できる床面積が広くなります。
デメリット
縦型ドレンに比べると排水効率が極端に落ちます。
排水口の口径の大きさにも関係しますが、
排水パイプの傾斜角度の違いが排水効率に大きく関係してきます。
ドレン周りから雨漏りする時に起きていること
接合部の不良
ドレンと表面の防水材(防水塗膜)の継ぎ目部分は、
●温度変化や直射日光による伸縮膨張
●地震による建物の振動による力
●日中の紫外線や冬の凍結乾燥により弾性が失われる
上記3点が原因となり、次第に経年劣化が進み
接合部の不良から雨漏りは起こります。
パイプの亀裂
横型ドレンの場合によくある例として
外壁の中を通る横パイプはエルボという曲がりを通り
外壁の外で縦のパイプにつながっています。
ですが強風や地震の揺れによって、
縦パイプと横パイプが違う動きをすることで
外壁によって動きが拘束されている
横パイプに力が集中し、亀裂が入ることがあり
この亀裂が原因となり雨漏りに繋がるケースがあります。
改修用ドレンとは?
改修用ドレンとは
鉛のプレートや塩ビのシートに蛇腹のホースが
一体化したものになります。
一般的にな工法では、既存のドレンの上に
改修用ドレンを被せて劣化した部分をカバーし既存のドレンに密着させています。
また、一体化している蛇腹ホースが直接縦樋に流れる構造のため
継ぎ目のないシームレスな状態で内部は強化されています。
実際の施工事例
ウレタン防水工事
工事基本情報
- 施工内容
- 劣化の進んでいるゴムシートを取り除き、カチオン樹脂モルタルを使用し、下地調整を行なっていきました。ウレタン防水塗料を数回に分けて塗り、仕上げの表面の保護としてトップコートを塗布しております。
- 工事期間
- 3日
- 工事金額
- 50万円
改修用ドレン施工
工事基本情報
まとめ
防水工事を検討する際に、塗装屋さん?防水屋さん?ハウスメーカー?
と、お悩みの方も多いと思います。
もちろん、上記の業種の方々にも対応もらえると思いますが
やねやねやねでも防水工事に関するお悩みは
対応させていただいております。
その中でも雨漏りに関しての内容が多いです。
やねやねやねでは雨漏り診断士が現状の状態を確認し
再度雨漏りしないように、見た目の仕上がりだけでなく
工程一つ一つ、雨漏りの観点から施工をしております。
広島県で防水工事にお悩みの方のご参考になれば幸いです。
不明点・ご相談などありましたら
お気軽にお問い合わせ窓口(電話・メール・ライン)より
ご連絡くださいね^ ^
